血統データ備忘録

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ジャックドールはサイレンススズカの再来か?ラップ比較から逃げスタイルの違いを徹底分析!

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【今日から使える簡単血統データ】血統データ備忘録、今回は番外編として血統を全く無視した考察をお届けします。

先日の金鯱賞でレコード勝ちの圧勝をしたジャックドール、逃げて後続を完封するその姿から「サイレンススズカの再来」という声も多く聞こえます。

では、ジャックドールは果たして「サイレンススズカの再来」と呼べるのか?

ラップ分析でサイレンススズカ、また同じ逃げ馬で中山記念を圧勝したパンサラッサと比較して逃げパターンや競走馬としての資質の違いを掘り下げて分析していきます!

 

 

 

 

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☆ジャックドールの逃げパターン

まずはジャックドールの近2走(白富士S金鯱賞)のラップ推移を確認しておきます。

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ジャックドールが踏むラップの特徴としては、中盤を一切緩めず同じペースを刻んでいく「一貫ラップ」、または前半~中盤で徐々に加速していく「加速ラップ」です。

前半をなるべくゆっくり入って、そこから加速していく、または一貫したラップを刻むことで、「スピード持続力」を活かす乗り方だと思われます。逃げ馬に使う呼称ではないかもしれませんが…「長く良い脚を使う」タイプの馬ですね。

同じタイプの逃げ馬としては、ダート馬になりますがインティがこのタイプ。

 

このタイプの馬の特徴としては

気性的なことを度外視すれば、逃げに拘る必要のないタイプが多いです。

あとはその持続力を活かして距離延長にしっかり対応ができる傾向。

また、トラックバイアスに左右されずに実力が発揮できるタイプです。

 

では、ジャックドールが得意なラップ推移と、パンサラッサ&サイレンススズカのラップ推移を比較していきます。

 

☆パンサラッサの逃げパターン

まずばパンサラッサの福島記念中山記念を逃げて勝利した際のラップ推移です。

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グラフが右肩上がりになっているのがはっきりと分かると思います。

前半から飛ばして、どこまで持つか?と言った、いわゆる「破滅型逃げ馬」です。

後半に失速することを覚悟で、セーフティーリードを広げていく戦法。

もちろんスピード能力に優れた馬でないと、前半からリードを広げていくことはできません。

このタイプの逃げ馬は基本的にはスピードが活きる距離短縮で良さが出るパターンが多いです。

また、このタイプは前が止まらないトラックバイアスだったり、速い時計の出る馬場の時は滅茶苦茶強い勝ちかたをしますが…差し有利のトラックバイアス、馬場になれば脆い負け方をすることも多いのが特徴です。

 

☆ジャックドールとパンサラッサの比較

では、ジャックドールとパンサラッサ、今回挙げた2レースの平均ラップを比較してみましょう。

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右肩上がりのパンサラッサ

中盤は右肩下がりのジャックドール

一目瞭然です。

前半をゆっくり入って持続力を活かしたいジャックドール、抜群のスピードで前半から飛ばしてリードを広げたいパンサラッサ。

同じ逃げ馬でも、その逃げスタイルは真逆です。

 

 

 

 

サイレンススズカの逃げパターン

では、お待ちかねのサイレンススズカのラップ推移です。

1998年の金鯱賞毎日王冠を逃げて勝った際のラップ比較です。

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当時と今では馬場やコースも違うし、時計の出方もかなり違うので一概に比較はできませんが…

サイレンススズカの特徴はパンサラッサのように前半を速いラップで入りますが、中盤で一度緩めて、後半で再加速するラップを刻んでいます。

武豊騎手が「サイレンススズカは逃げながら差している」というようなコメントを残していた記憶がありますが…このラップを見ると納得です。

パンサラッサ同様、抜群のスピード能力を活かして飛び出していきますが、もう一つの武器である「瞬発力」を発揮するために、一度緩めて溜めを作っていますね。

道中は溜めて、直線で瞬発力を発揮する。まさに差し馬の乗り方に近いと思います。

 

サイレンススズカは本質的には瞬発力タイプの差し馬だった可能性が高いと思っています。

ただ通常の差し馬が持っていない驚異的なスピード能力を持っていたため、前半から飛び出してしまっていただけ。そんなイメージでしょうか。

似たタイプを挙げるならダイワスカーレットサイレンススズカに近いタイプだったように思います。

 

☆まとめ

それではジャックドール、パンサラッサ、サイレンススズカのラップ比較を一通り終えたところでまとめです。

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「ジャックドールはサイレンススズカの再来か?」と聞かれれば、問答無用でNO!

前述の通り逃げ馬としてのタイプが全く違います。

 

ジャックドールのような持続力タイプの逃げ馬の特徴として、気性的なことを無視すれば「逃げなくても良い」馬が多い傾向。

似たタイプとして挙げたインティも、逃げなくても後方から脚を伸ばして好たケースもみられました。

パンサラッサのような「破滅型逃げ馬」と違い、幅広いレースで息の長い活躍が見込めると思います。

ただ、内枠などで馬群に包まれて、中盤が緩むラップであったり、スローペースに巻き込まれることがあれば脆いかもしれません。

コース的な鬼門は「前半から速いラップが求められるコース」ですね。前半をゆっくり入りたい馬だけに、前半から急かされると自慢の持続力が鈍る可能性があると思います。

あくまで自分のペースで走れる条件であれば強いタイプであることは間違いありません。

今後のジャックドールの活躍に要注目ですね!

 

 

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