【今日から使える簡単血統データ】血統データ備忘録、今回は現役競走馬を取り上げる「現在地シリーズ」の第三弾。
3歳牝馬クラシック戦線の主役となるであろうプレサージュリフトを特集します!
先日のクイーンカップを快勝したプレサージュリフト。衝撃の大外一気で重賞を制しました。
新馬戦の勝ちっぷりも見事でしたが、デビュー2戦目でいきなり重賞を快勝するという偉業を成し遂げました。この勝利で次走以降、間違いなく牝馬クラシック戦線の主役になると思われます。
では、ここでプレサージュリフトのここまでのレースのラップ分析と血統をもとに「桜花賞・オークスを勝てるのか?」というテーマで掘り下げてみたいと思います。
☆ここまでの2戦のラップ分析☆
プレサージュリフトのここまでの2走(新馬戦・クイーンC)のラップを振り返っておきます。
両レース共にラップ構成が示すレースの質は全く同じ。「スローからの上り勝負」
この質のレースでは上り3Fを速く駆け抜けられる直線スピードと、一気にトップスピードに乗るための瞬発力が求められます。
そんなレースでほぼ最後方から上り最速でブチ抜いた内容は「圧巻」の一言。
あくまで私の主観ですが、シンザン記念を勝った時のアーモンドアイを思い出しました。
その末脚からは牝馬クラシック戦線において間違いなく主役となるであろう実力が見えました。
ではここまでの2戦で示した直線スピードと瞬発力。その武器が桜花賞へ向けてどう影響するのか?桜花賞で求められるであろうラップと比較してみたいと思います。
☆ここまでの2戦と桜花賞☆
ここまでの2戦のラップと、昨年(2021年)の桜花賞のラップを比較してみます。
昨年が異質だったわけではなく、桜花賞は例年前半からハイペースで、そのままラップが緩むことなく、さらに上り3Fでも速いタイムが要求される「一貫ラップ」となることの多いレースです。
ラップの折れ線グラフをみていただければ一目瞭然。
プレサージュリフトが勝利した新馬戦・クイーンCと比較してもグラフの上下動がほとんど無い形となっています。
こういったレース質で求められる資質は「高いスピード能力」と「スピード持続力」。
ここまでプレサージュリフトは、スローで入って最後の直線で末脚を爆発させるようなレースで圧倒的な瞬発力と直線スピードを見せていましたが、桜花賞で求められる能力は少し違ったものとなりそうです。
例年、桜花賞ではその過酷な要求スピードのせいで、先行馬が潰れて差し馬が台頭する傾向が強いです。
つまり、プレサージュリフトのような直線スピードを持つ馬にとっては有利な傾向。しかしながら、前半から速いラップを刻み続けるレースにて「しっかりとした追走できるスピード」という、ここまで見せていない資質を示さなければならないことも事実。
ラップ分析の観点からの結論としては…
「直線スピードは大きな武器となる」のは事実ですが、「桜花賞で求められる追走スピードについては不安」という現状ではあります。
では遅めのデビューだったプレサージュリフトに対して、2歳時から3歳クラシック戦線を目指してキャリアを積んできた馬たちは桜花賞へ向けてどうなのか?
ここは簡易的にはなりますが、昨年(2021年) お阪神ジュベナイルフィリーズのラップを見ておきましょう。
☆阪神JF組はライバルとなるのか?☆
2021年の阪神JFは極端な「中緩みラップ」これは中距離向きの「折り合い力」と「瞬発力」が求められるレース質です。
桜花賞で求められるスピード持続力はほとんど問われないレース質となりました。
ただし、前半3Fに関しては2021年桜花賞と同等レベルのスピードが求められました。このスピード感を経験しているということは桜花賞へ向けて良いことかもしれません。
結論としては、前半3Fが速かったことは評価しなければなりませんが…この極端な中緩みラップではは桜花賞へ直結する内容ではなかったと思っています。
差して好走した馬(1着サークルオブライフ、4着ナミュール)は中距離適性を示した結果。先行して好走した馬(3着ウォーターナビレラ)はスピード能力は示したものの、桜花賞へ向けては直線スピードと瞬発力の補完が必要な数字です。
ここで桜花賞へ向けて最も好内容だったのは2着ラブリイユアアイズ。
人気薄でしたが、一定のスピード能力と瞬発力は示したかと思います。
ではここまでのラップではスピード不足が見て取れるプレサージュリフト。桜花賞を勝つ可能性は低いのでしょうか?
次は血統面から桜花賞適性を探っていきます。
☆血統から読み解く今後の展望☆
しかし、母はシュプリームギフトはディープインパクト産駒で短距離の重賞戦線でも活躍(函館SS2着、キーンランドC3着など)した快速馬。同じシュプリームギフトの産駒でプレサージュリフトの姉のオールアットワンスは2021年のアイビスサマーダッシュを勝った快速馬。
プレサージュリフトはハービンジャー産駒ながら短距離向きの快速血統を母方に持つ馬です。
プレサージュリフトの直線スピードはこの母方の血から来ていると思われます。
つまり、母方の血統面を考えれば、高いスピード能力が要求される桜花賞はむしろ好都合では?とも思わせます。
ここまで見せてきた高い直線スピードと瞬発力という武器に、血統から来る高いスピード能力が加われば…
桜花賞でもハイペースを追走しながらも、いままでと同等の末脚を繰り出す可能性も高いと言えるかと思います。
ただもちろん血統というのは目に見えないものですので、どこまで重視するか難しいところではありますが。
ただ、ここまでの牝馬2歳~3歳戦線で、桜花賞へ向けて盤石!という馬がいないのも事実。
ラップ分析と血統が示す資質をかけ合わせれば、桜花賞へ向けては最有力候補と見て間違いないでしょう!
ただし・・・
桜花賞とは一転して、オークスではスタミナ色の強い血統の馬が好走する傾向にあります。
母方の血統の影響が強いプレサージュリフトにとってはオークスは鬼門となりそうです。
この件についてはまた桜花賞が終わってオークスが近づいたら改めて。
☆まとめ☆
プレサージュリフトの新馬戦・クイーンCのラップはスローペースの上り勝負。鋭い末脚を披露した内容は圧巻ですが・・・前半から速いラップを刻み続ける桜花賞には不安を残す内容でした。
ただし、血統面からは母シュプリームギフトがアイビスサマーダッシュを制した快速馬で、スピードの絶対値が求められる桜花賞はむしろ歓迎かと思われます。
経験(ラップ実績)を取るか、素質(血統)を取るか難しい判断ではありますが、桜花賞までの過程(追切や馬体変化など)に注視して、馬券購入時に正確なジャッジができるようにしておきたいものです。
いずれにせよ、かなりの素質馬であることは疑いようのないプレサージュリフト。
今後の活躍に期待です!!
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